登山の疲労回復や筋肉痛の予防方法は?登山前後のケア・リカバリーグッズ紹介
登山した次の日の疲労や筋肉痛を予防するためには、下山後のケアが大切です。とくに水分・アミノ酸・糖質は下山後すぐに摂取しましょう。また、体を回復させるためにも質のよい睡眠を取ることも大切です。登山の疲労回復方法と、おすすめのリカバリーグッズを紹介します。
目次
登山後の筋肉疲労を予防するためには、下山後のケアが大切です。たんぱく質・資質・ミネラルなどバランスの取れた食事をする、入浴で血行を促す、質のよい睡眠を取ることを心がけましょう。
この記事では、登山の疲労回復方法と、リカバリーにうれしいサプリやプロテインを紹介します。
登山後の疲労回復を促進するためのポイント
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疲労感や翌日の筋肉痛を防止するためには、下山後のケアがとくに大切です。ここでは、山を降りてから自宅に帰った後まで、ケアのポイントを解説します。
まずは整理運動をしよう
重度の筋肉痛や関節の痛みなどがないなら、下山後はまず整理運動(整理体操)をしましょう。整理運動とは収縮した筋肉をほぐす運動で、血行が促され疲労が溜まりにくくなります。
まずは、ふくらはぎや大腿筋などの負荷がかかった部分を、20秒ほどかけてゆっくり伸ばしましょう。[注1]
[注1]厚生労働省:健康づくりのための運動指針 2006~生活習慣病予防のために~ p33
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/07/dl/s0719-3c.pdf
痛みのある部位は冷やす
患部に痛みや熱、腫れがあるときは、下山後すぐにアイシングをするのが効果的です。冷やすことで炎症を抑え、疲労が拡大するのを防ぐ効果があります。
なお、あまり患部を冷やしすぎると凍傷になる恐れがあるため注意しましょう。
専用の入れ物などで氷嚢を作り、患部に15~30分程度当てる方法がおすすめです。
失われた水分補給を補う
登山中に水を飲んでいても、水分補給量が追いつかないケースがあります。山を下りた後も脱水症やむくみ防止のため、意識して水分と電解質を摂取しましょう。
なお、下山直後のビールやコーヒーは利尿作用があるためおすすめできません。[注2]
[注2]環境省(熱中症予防情報サイト):熱中症 環境保健マニュアル2022 p39
https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf
たんぱく質・糖質・ビタミン類を補給する
下山直後は水分だけでなく、栄養素も失われています。とくに、筋肉の回復を早めるためにもたんぱく質と糖質を摂取しましょう。早く取れば取るほど効果的なため、個包装のアミノ酸サプリメントを持参するとよいでしょう。
疲労回復にはビタミン類の摂取が効果的です。できるだけバランスのよい食事を心がけましょう。
入浴で疲労回復を促す
入浴では適度な水圧と体温の上昇により血流を促し、老廃物を取り除きやすくする効果があります。なお、患部に炎症があるときは先にアイシングを行い、痛みが引いたら入浴しましょう。
良質な睡眠を過不足なく取る
食事や入浴も大切ではあるものの、登山後の疲労回復には良質な睡眠がとくに大切です。睡眠を取ることで体は休養状態に入り回復を促します。
なお、睡眠時間は長ければよい訳ではなく、質のよい睡眠を過不足なく取る必要があります。
良質な睡眠のためにも、寝室の環境を整える(温度・湿度など)、寝る前にスマートフォンやパソコンの画面を見ない、カフェインを取らないなどに注意しましょう。[注3]
[注3]厚生労働省(健康寿命をのばそう SMART LIFE PROJECT):質のいい睡眠で、カラダも心も健康に。
https://www.smartlife.mhlw.go.jp/minna/sleep/kenkou
登山後の疲労回復に役立つグッズは?
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ここでは、登山後の疲労回復はもちろん、予防にも役立つグッズを紹介します。
アミノ酸サプリ
アミノ酸は体内でたんぱく質を作る成分です。登山のように筋肉に継続的な負荷のかかる運動をすると、体内のアミノ酸が消費されます。そのため、アミノ酸をこまめに補えば、筋肉疲労の軽減や筋肉量の向上が期待できます。
なお、卵のように良質なたんぱく質を含む食品はアミノ酸も豊富なものの、分解に時間がかかります。そのため、下山直後はアミノ酸サプリを摂取したほうが効率のよい疲労回復効果が期待できます。
[参考]厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット:アミノ酸
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-001.html
リカバリーウェア
リカバリーウェアとは、着ることで血行を促すなどして筋肉の疲れの緩和が期待できる衣類のことです。
リカバリーウェアには以下のように2つのタイプがあり、それぞれ着用に適したシーンが異なります。なお、選ぶときは一般医療機器に認証されているか確認しましょう。
■圧着タイプ
パフォーマンスの向上や運動直後の疲労回復を目的とし、主に運動中に着用するタイプ。スポーツタイツなどが有名。
■非圧着タイプ
疲労回復、筋肉のコリの軽減、ストレス軽減などを目的として寝るときに着用するタイプ。締め付け感がないので、登山後のリラックスタイムに着用するのもおすすめ。
登山後の疲労回復に効果的なケアグッズ3選!(サプリメントとプロテイン)
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ここからは疲労回復におすすめのサプリメントとプロテインを紹介します。
1.ソシア|アミノ・スパルタン GOLD 顆粒
ロイシンやリジンなど9種類の必須アミノ酸を1袋で摂取できるアミノ酸サプリメントです。
9つの必須アミノ酸は最も分量の低いアミノ酸に合わせて利用されるため、バランスよく含まれている(=アミノ酸スコアが高い)ことも大切です。
アミノ・スパルタン GOLD 顆粒はアミノ酸スコアが100%なので、必要なアミノ酸を無駄なく摂取できます。個包装で登山に持っていきやすいこともポイントです。
主成分 | グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、リジン、スレオニン、ヒスリジン、トリプトファン、ビタミンB6ほか |
1回あたりの摂取目安 | 1~3袋(水なしで飲める) |
内容量 | 54g(1.8g×30袋) |
フレーバー | さわやかレモン味 |
2.マイプロテイン|Impact ホエイ プロテイン
1食あたり21gのたんぱく質が取れながら、カロリーはわずか103kcal、脂肪含有量1.9、炭水化物1gと運動する人にうれしいプロテインです。そして何よりも注目すべきはフレーバーの豊富さです。
チョコレートブラウニーのようなスイーツ系から、パイナップルなどのフルーツ系、小豆や抹茶ラテなどの和風テイストまで60種類以上楽しめます。ノンフレーバーもあります。
プロテインが苦手な人でも、お気に入りのフレーバーが見つけられるでしょう。
主成分 | ホエイプロテインコンセントレート |
1回あたりの摂取目安 | 大さじ1杯(25g)を水または牛乳に加えて飲む。 |
内容量 | 250g~5kg |
フレーバー | ナチュラルチョコレート、ミルクティー、抹茶ラテ、ストロベリークリーム、モカ、黒糖ミルクティー、ピーチティー、ナチュラルストロベリー、北海道ミルク、チョコバナナなど 60種類以上 |
3.MPN|ハイパーパンプ・ネオ
高強度のトレーニング向けに開発されたプロテインです。持久力アップをサポートするクレアチンや、筋肉への栄養補給をスムーズにするアルギニン、オルニチン、シトルリンを配合しています。
さらに、何千キロも移動する渡り鳥やマグロなどの体内にも存在する注目成分「イミダゾールジペプチド」を配合し、長時間の運動をサポートします。
1食で200mgと、エナジードリンク3~4本分のカフェインも摂取できるので、ここぞというときにもおすすめです。
主成分 | アルギニン+シトルリン、オルニチン塩酸塩、β-アラニン、チロシン、カフェイン、4種のビタミンB群+亜鉛 |
1回あたりの摂取目安 | 付属スプーン小盛2杯(14g)を目安に150mlの水に溶かして飲む。 |
内容量 | 450g |
フレーバー | オレンジマンゴー風味 |
登山の疲労は下山後のケアが大切!
登山では、上る前の予防と登山中の栄養補給はもちろん、下山後のケアが疲労や筋肉痛を防ぐうえで重要です。とくに、筋肉の回復に必要なアミノ酸やたんぱく質は、すぐに摂取することをおすすめします。
アミノ酸サプリメントやプロテインなど、補助食品を上手に取り入れて、登山後の疲れを予防しましょう。